郷土料理集讃歌食事会が開催されました。今回はイタリア北東部の州「ヴェネト州」。
10月22日に郷土料理集讃歌食事会が開催されました。
毎月イタリア各州の一つの州にスポットを当て各地の郷土料理をシェフのアレンジを加え新しい料理に仕上げ楽しんで頂いている食事会です。
10月の今回は水の都ヴェネツィアを州都に持つイタリア北東部、ヴェネト州です。ロミオとジュリエットの舞台として有名なヴェローナがある州でもあり、シェフのイタリア修行時代に現地に赴いた話にも花が咲きました。ヴェネト州を代表する郷土料理「Bigoliビーゴリ」。そのパスタを仕込む際に使用するトルキオに実際にシェフが跨り説明をし、皆様とても盛り上がっていました。ヴェネト州の郷土料理をシェフの現地での経験とアイデンティティを加え、さらに昇華したリストランテの料理と地元のワインとのアッビナメントをお楽しみ頂きました。
前菜「Cope Lunghe alla Cappuccino」-マテ貝のカップチーノ風-
豊富な魚介類の料理の多いヴェネト州の郷土料理を今回は日本の食材でご用意致しました。熊本産のマテ貝とイカ、エビ、アサリ等から取った濃厚な旨味のスープとマテ貝の食感を楽しんで頂きアドリア海を感じて頂きました。
ワインはヴェネト州の誇るプロセッコです。硬質なミネラル感と深い余韻を持つLe Coltureのブリュット クリュ リヴェ ジェラルドで幕開けとなりました。
温前菜「Seppie alla Veneziana」-墨イカのヴェネツィア風-
本来はイカ墨で煮たコウイカを、白い出来たてのポレンタと楽しむお料理ですが今回、シェフはリストランテに食事に来て口の中が真っ黒になるのは美しくないという思いから、キレイに食せる仕立てとなりました。イカ墨で煮るのではなく、イカ墨を加えた黒いポレンタを香ばしく焼いて、コウイカ、イカ墨、ポレンタの要素はそのままに新しいシェフならでは一皿をご用意致しました。
ワインはイナマ、”ヴィン ソアヴェ ソアヴェ クラシコ“
イナマのソアヴェクラシコです。ソムリエ坪井のイカ墨の料理にはソアヴェを合わせて、ソアヴェでイカ墨を流すという話が盛り上がっていました。
ガルガーネガ種の特徴を綺麗に表現したワインです。
プリモピアット「Risi e Luganega」-米とサルシッチャ-
サルシッチャから出る旨味のブロードで作り、ヴェネト州名産のラディッキオロッソを合わせ旨味と苦味の相乗効果を感じてもらいました。
あえて日本米の北海道産「ななつぼし」を使用しました。
あえて作りたてのリゾットではなく、米を炊いて3日間ねかせてから仕上げる事により熟成した旨みとイタリアのヴィアローネ米の様なパラパラとした食感になります。
プリモピアット2皿目は、
「Bigoli co L’anatra」-鴨のビーゴリ-
ヴェネト州を代表するクラシックなパスタビーゴリを今回は宮城の野田鴨とたっぷりの香味野菜と煮込み、コクと旨味のたっぷり詰まったソースができました。イタリアでも様々なキノコと合わせますが今回は香り高い岩手県産の天然の香茸と一緒に合わせました。
ワイン⒈カヴァルキーナ“パルドリーノ スペリオーレ サンタルチア”
フレッシュでフルーティーな味わいとブルーベリー、胡椒、薔薇等の複雑な香りが特徴のワインです。ミディアムサイズの樽で1年間熟成させてから、バリックで熟成させた複雑さと豊かさを持つワインです。
⒉フラテッリ デガーニ“アマローネ デッラ ヴァルボリチェッラ ラ ロスタ”
伝統と自然を尊重した生産者のワインです。凝縮した果実味とシルキーなタンニンにチョコやバニラのニュアンスを持ち、洗練されたアマローネです。
ビーゴリと次にお出ししたセコンドピアットと共にお楽しみ頂きました。
セコンドピアット「Pastissada de Cavalo」-馬の煮込み-
今回は鹿児島のウマを取り寄せ、本来は赤ワインに漬け込んだ肉をたっぷりの香味野菜と共にしっかりと煮込んでいく煮込み料理ですが、赤ワインに漬けたウマを絶妙の火入れのローストにしてお出ししました。
ヴェネツィア風のジャガイモと玉ねぎのソテーにオータムトリュフを乗せ、柔らかな煮込み料理が肉肉しい焼きの一皿となっています。
ドルチェは、「Pinza de La Marantega」-公現祭のピンツァ-
今回は“健康の大きなタルト”という名の郷土菓子であり元々は貧しい農民達が冬にも手に入れることのできる、干し葡萄、イチイジク、リンゴなどを使って、家族の健康を祈りながら作っていたドルチェと言われています。赤菊芋(トピナンブル)の葉で香りをつけたミルクジェラートと共に召し上がって頂く一皿となりました。
今回も沢山の魅力の詰まった「ヴェネト州」をお楽しみ頂き毎回、ご好評を頂いている郷土料理集讃歌食事会も残すところ、あと1回となりました。
次回、11月19日は「カンパーニア州」で開催致します。古代ギリシャやローマ時代からの豊かな歴史と地中海の美しい海岸線や山々など、多様な魅力に溢れた州カンパーニア。最後の郷土料理集讃歌食事会はお陰様でに満員となっております。
来年2月9日には総集編と題しました食事会も予定しています。